

半導体の検査装置を製造、販売する株式会社アポロウェーブ。同社の強みは、チップが無数に存在するウェーハというパッケージ化される前の薄い基板状態のものを検査する工程で、高周波・温度・微小電流の3つのカテゴリーに特化した検査装置を供給している。全体の売上の6〜7割は最先端技術を用いて研究開発を行う企業や団体への半導体検査装置の販売であり、他社には負けない高度な検査技術で市場を勝ち抜いてきた。
会社設立は2000年2月。当時、半導体検査装置を扱うメーカーに技術者として勤務していた山下氏を中心に3名でスタート。当時は大阪府立産業技術総合研究所のインキュベーター施設を借り、営業活動と研究開発を並行しながら事業を拡大してきた。研究開発を繰り返してリリースされる製品が多いため、社員の大半は技術者である。現場の技術者から経営者という立場に変わった山下氏、社員同士が気軽に意見を交換できるコミュニケーションの場を大切にしているという。1人ひとりでは限界のある技術的な発想も話し合うことで解決し、達成感をお互いに共有することで、さらなるモチベーション向上にもつながるそうだ。「私の仕事は明確なビジョンを社員に見せることです。今の仕事は技術的な知識も必要ですが、知恵を持って仕事ができるように自立した社員を育てていきたいですね。」と山下氏は話す。

最近は半導体を扱う国内企業が、安い賃金で生産できる海外に拠点を移す傾向にあることが課題となっており、同社はニーズのある台湾を中心としたアジア圏への海外進出へ動き出している。また今後の展開としては現在の検査技術を用い、バイオ、医療分野への進出も視野に入れている。「事業拡大のためには営業力をもっと強化したいのですが、そうなると技術がおろそかになるんですね。お客さまのニーズに応えれる高度な技術力があれば、自然と製品は世に出ると私は信じています。」と山下氏。他社に負けない信念と技術が、厳しい市場を生き抜く秘訣であると改めて感じることができた。
■ 会社概要
【会社名】 | 株式会社アポロウェーブ |
【設立】 | 2000年2月 |
【所在地】 | 〒532-0011 京大阪市淀川区西中島6-7-8 大昭ビル4F |
【連絡先】 | 06-6838-3233 |
■ 詳しい情報はホームページにてご覧いただけます。