

一昔前では頻繁に建材材料に使用され、人体や環境に悪いと問題になった石綿(アスベスト)。いち早く石綿に変わる新しい建材材料に目を向け、人体や環境への悪影響の対応はもちろん、耐火性、断熱性などに優れたケイ酸カルシウム材料を使った建材・保温材製品を製造から販売さらには施工まで行う会社日本インシュレーション株式会社。中でも1000℃の温度で3時間の耐熱性能を持つゾノトライト系ケイ酸カルシウムの建材開発に世界で初めて成功したという実績を持つ。現在海外16ヶ国で特許を取得し,欧米建材メーカーへ技術供与を行うなど、その技術は世界で認められている。
創業は大正3年。元水道局の職員であった創業者石川氏が始めた水道用パッキング製造会社からスタートする。飛躍のきっかけとなったのが、1966年にケイ酸カルシウム材料を使った新製品開発の実験の失敗で生まれた「結晶スラリー法」と言われる新しい生産技術。この技術で高耐熱性のゾノトライト結晶の人造合成が可能となった。以降はケイ酸カルシウム材料を使った耐火被覆材の市場において約80%もの全国シェアを占めるほどに成長。今では同社の建材や保温材が活躍する分野は広がり、建築、プラント分野を中心に、その他歴史的建築物や船舶用の内装材にも多く使用されている。中でも「船舶用は陸上で使用する建材よりも求められる安全レベルが高く、燃費とのかねあいで建材自体を軽くする必要があるなど難易度が高いですね。」と江東氏は言う。

今後はさらに積極的な海外展開を目指し、新製品としては耐火・防火という従来の製品価値から、健康,インテリア,耐震などをテーマにした新しい製品を作っていきたいという。ただ「あくまで一番大切なのはお客さまのニーズ。お客さまと一緒になって新しい製品の付加価値を創造してきたいですね。」と江東氏は考えている。その想いの象徴となっているのが岐阜県にある商品PRセンター。毎年約200社もの企業や団体が訪れ、各商品のサンプル展示や実際の取り付け方、加工の仕方などを熱心に館内のスタッフが案内をしてくれる。お客さまに対して親身に答えていくことで新たなニーズを見つけ出し、そこからまた新製品や新技術が生まれてくる日も近い。
■ 会社概要
【会社名】 | 日本インシュレーション株式会社 |
【設立】 | 大正3年4月8日(創業) |
【所在地】 | 〒556-0014 大阪市浪速区大国1-1-6(新大国ビル) |
【連絡先】 | 06-6123-3203 |
■ 詳しい情報はホームページにてご覧いただけます。