

デジカメやデジタルビデオなどに代表される光学機器に組み込まれている光学フィルタ。光学フィルタとは、レンズに映った映像を電気信号に変換するイメージセンサの間に取り付けられるもので、この光学フィルタによって、人の目で見える範囲の光から特定の色だけを透過させたり、光学機器に悪影響を及ぼす光をカットすることができる。一例を簡単に紹介すると、このフィルタを通すことにより映像にうつるノイズがカットされ鮮明で美しい映像や画像にすることができる。このように光を制御するコーティング技術のことを『オプティカルコーティング』という。
この『オプティカルコーティング』に近年力をいれているのが、安達新産業株式会社だ。創業は1918年。現在の代表取締役である安達直祐氏の父親、安達新太郎氏が硫酸や硝酸等を扱う薬品商として商売を始めた。戦後、現社長の直祐氏の代になり飛躍を遂げる。「私が引き継いだ頃は化学薬品の問屋でしたが、問屋に甘んじていては発展できなくなるという危機感があり、他社にできないサービスや、技術や商品を自社の力で備えておこうと考え、見つけたのがプラスチックに金属のメッキを施す「真空蒸着」の技術でした。研究・開発の結果、日本でトップを切って工業化に成功し、先端技術をも扱う技術企業へと変わる事ができました。」と代表取締役の安達直祐氏。もちろん同社は化学工業薬品専門の商社としての機能も兼ねそなえている。「商社としての機能があるからこそ、先端技術や新材料の情報、お客様のニーズを捉らえることができ、先端技術の研究、開発に生かせています。」
「日本は資源のない国なので、化学という知恵の組み合わせでやっていくしかないと考えています。」その言葉通り、同社では商社活動で得た情報をもとに、常に化学分野において新しいことに挑戦し続けている。「空の上には無限に広がる真空の空間があり、海の底には超高温、超高圧の世界が広がっている。私どもは昔から真空に関わる事をずっとやり続け、近年では宇宙技術にも取り組んでいます。そして今は海の底。地球の中の超高温・高圧の世界でもある超臨界状態を地上で再現する極限の技術にも取りくんでいます。」
「今は昔のように簡単に課題が転がっている時代ではなくなりました。しかし世界がある限り、世の中は変わっていきますし技術もまだまだ変わっていくと思います。日本は、技術の先をいっていたアメリカやヨーロッパ諸国の似たことばかりしてきましたが、これからは日本の文化価値(過去の歴史の集積)と文明(未来)を含んだ日本独自の技術を生み出し、世界中の人が喜んで私たちの技術を真似したくなるようなものを作り出さないといけない。うちの会社の理念は、『より社会のお役に立つ会社に』なんです。今でも社会に役立っているつもりですが、そこで満足してはいけない。私たちはさらに社会にお役に立つ事を常に考えています。」同氏が、日常業務のなかで社員へ行動基準として伝えている「新真の五道」という言葉がある。「『新真聞』真の情報か正しい情報かを聞分けなさい。そして、『新真見』自分の目で見て確かめなさい。そして、『新真言』信頼できる人に語り、議論の中から見極めなさい。そして、『新真行』本物の道だと信じ、行動する。そして、『新真現』正しく実現し、成功まで完遂する。」
モノ中心の工業社会の時代から人間中心の情報化社会を迎えた現代。より良い人間関係から目には見えない本物の技や術を見極め、真実の正しい道を進んでいく。この基本の考えがあるからこそ、新技術に積極的に取り組めるのだろう。いろいろな人々と交流をしながら、これからも安達新産業は、新しい技術に取り組み、今以上に、躍進していくことだろう。
モノ中心の工業社会の時代から人間中心の情報化社会を迎えた現代。より良い人間関係から目には見えない本物の技や術を見極め、真実の正しい道を進んでいく。この基本の考えがあるからこそ、新技術に積極的に取り組めるのだろう。いろいろな人々と交流をしながら、これからも安達新産業は、新しい技術に取り組み、今以上に、躍進していくことだろう。
■ 会社概要
【会社名】 | 安達新産業株式会社 |
【設立】 | 1964年8月 |
【所在地】 | 〒550-0012 大阪市西区立売堀1丁目14番20号アニックスビル10F |
【連絡先】 | 06-6536-2051 |
■ 詳しい情報はホームページにてご覧いただけます。