2011年09月13日

G5 JAPAN株式会社 代表取締役社長 中田 隆 さん

G5 JAPAN株式会社 代表取締役社長 中田隆さん

近年、地球温暖化やCO2問題など地球規模で重要視されている環境問題。
さまざまなものに利用される樹脂の分野で、この環境問題に挑んでいる企業がある。
環境貢献樹脂の製造販売を手がけるG5ジャパン株式会社だ。同社はシンガポールを拠点に樹脂をはじめとする各種素材の研究開発を行うG5インターナショナル・ホールディングスの日本法人である。

「現在、私たちが製造販売を行っている樹脂の事業は3つあります。」と話してくれたのは、同社代表取締役社長の中田氏。同社が製造販売する樹脂は総称して「環境貢献樹脂」と呼び、その環境貢献樹脂は3つの事業で構成されている。

G5 JAPAN株式会社
「1つは生物由来の資源であるバイオマス樹脂の事業です。つまり石油を使わない樹脂になります。もう1つは例えばプラスチックを土の中に埋めると微生物の力で分解されるといったことを生分解というのですが、これらを利用した生分解樹脂の事業になります。そして最後に、製造過程で二酸化炭素をあまり排出しない低炭素樹脂の事業でして、この3つの事業を総称して私どもでは環境貢献樹脂と呼び、当社の軸での事業になります。」

一言で樹脂と言ってもその種類はさまざま。その中でも現在同社が力を入れている樹脂技術が「PHA」という樹脂技術だ。PHA樹脂の歴史は古く、過去にさまざまな化学メーカーが製品化しようと研究を重ねてきた。しかし採算があわず研究を断念した企業がほとんど。なかなか製品化するには難しい技術だそうだ。
「PHAとは簡単に言うと微生物の体内で形成される樹脂(ポリエステル)なんです。私どもは長年の研究でこの微生物を増やすことに成功しました。そのため長年の課題であった採算について目処をつけることができました。微生物は汚れた水や残骸を食べて成長します。しかも微生物は二酸化炭素を呼吸するときにだけ排出しますから二酸化炭素の排出が非常に少ないんです。さらに自然の素材ですので産業廃棄物にはなりません。」と中田氏。ちなみにこの微生物を利用した低炭素樹脂は現在引き続き国内で開発を進めているそうだ。そのためこの技術に対する中田氏の期待も大きい。
「このPHA樹脂技術は、医療分野と汎用分野の二種類の分野での利用を考えています。PHAは身体適合性に適した微生物でつくっているので体には無害ということが特徴です。そのため医療分野では骨折治療材やバイパスなどさまざまな部位での使用が可能です。またこの技術により産業廃棄物を減らすこともできます。ですから今後の医療分野では大きな活躍が期待できる素材なのです。また、汎用分野においての一例を挙げますと、野菜にかぶせる農業用の黒いマルチシートなのですが、従来の農業用のマルチシートはポリエステルで出来ているため、使用後は回収し、捨てる時は産業廃棄物となります。しかしこのPHA製品を用いれば、微生物で出来ていますから、わざわざ回収や廃棄する際の心配はいりません。」
ここで疑問に思うのが、現在市場に出回っている微生物で分解されるという従来の生分解樹脂とは何が違うのかということ。そのあたりのことを中田氏に聞いてみた。
「通常の生分解樹脂では、時間が経つと分解されます。ですから製品在庫を抱えると、倉庫の中で勝手に分解されていくのです。それがPHA樹脂の製品ですと、ある一定の温度や水などに触れない限りいつまでも原型のままで保管が可能になるという利点があります。」
中田氏が言うには、近い将来PHAが主力の樹脂素材になるのではと、夢は拡がる。

G5 JAPAN株式会社
さらに、同社には他社とは違う強みがあるという。
「我々のもうひとつの強みはカーボンフットプリントの計算ができるシステムを自社で持っていることです。カーボンフットプリントとは、生産工場の蛍光灯から樹脂を運び、商品のライフサイクルが終わるまでの二酸化炭素の排出量を計算することです。この計算は結構大変でして、他社ではあまりやっていません。しかしその計算がきちんと出来ることで当社の製品がお客様に採用されているんです。」と中田氏。
この技術は、同社の株主でもある富士端子工業株式会社と共同で開発したそうだ。

そんな中田氏だが、ここまでに至る道のりは大変だったそうだ。
「お恥ずかしい話ですが、私はもともと大手の百貨店にて管理職をしていました。45歳くらいの時に病気をしまして、2年ほど療養したんです。家族には本当に迷惑をかけました。あるとき、私どもの株主でもある富士端子工業株式会社から新しい事業をやるからどうだ。という声をかけていただいたんです。当時は全くの畑違いということもあって、立ち上げの際はいちから勉強をしました。全くの素人ですから、客前で恥をかくこともしばしば。知ったかぶりはせずに何でも勉強するという気持ちを言い聞かせやってきました。社会人としては経験も実績もあるのに、20歳代の若手と同じように、とにかく飛び込み営業をしました。今さら・・・という気持ちもありましたが、今考えると百貨店時代のプライドを捨てなかったら、ここまで出来なかったでしょうね。」と中田氏は創業時を振り返る。
そんな中田氏の趣味はバイクに乗ること。ただ病気をしてからは乗っていないそうだ。
しかし中田氏は、落ち着いたらまたハーレーに乗って日本国中を巡りたいという。
そんな中田氏が今後の夢を話してくれた。
「私は今も勉強中の身です。とにかく頑張って挑戦していきます。そしていつか僕を誘ってくれた富士端子工業株式会社に恩返ししたいと思っているんです。もちろんバイクにも乗りたいですしね。」
中田氏のあふれるパワーと改めて挑戦するという言葉に、言葉の意味の奥深さを強く感じた取材であった。

■ 会社概要
【会社名】G5 JAPAN株式会社
【設立】2006年9月
【所在地】

〒530-0005

大阪市西区西本町3-1-44

【連絡先】06-4391-2800
■ 詳しい情報はホームページにてご覧いただけます。



posted by ファイコム at 21:12| キジコネ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。